不眠症とは寝付きが悪かったり夜中くり返し起きてしまう症状です。入眠障害/中途覚醒/早期覚醒/熟眠感欠如の種類があります。

不眠症とは

不眠症とは、夜寝付きが悪かったり、何度も繰り返し起きてしまうような症状です。
日本睡眠学界は次のような症状と条件の組み合わせによっては、不眠症状だと判断される可能性が高い事を示しています。

・通常の入眠よりも最低30分~2時間以上かかる。
・夜中に数回以上起きてしまう。
・1ヶ月間熟睡した感覚が感じられない。
・季節や時期に関係なく夜明け~朝の時間帯(普段より2時間以上前)に起きてしまう。

※1)最低1ヵ月また週2回程度上記のような睡眠異常が見られ、眠れない事に対する苦痛、日常生活に支障がきたす等の条件が当てはまれば不眠症状です。
※2)ストレスや肉体的苦痛による一時的な不眠症状とは異なります。

不眠症状の種類

不眠症の種類は、症状の具合によって大きく4種類ほどに分かれます。

  • ・入眠障害

  • ・中途覚醒

  • ・早期覚醒

  • ・熟眠感欠如

なかなか寝付けないなと感じる症状から、1ヶ月以上全く熟睡出来ていないというような症状にまでを4つほどに分類されます。
不眠症はナルコレプシーと違い、例えば夜勤シフト業務を行う方や日々のストレスに悩む主婦層に至るまで年齢問わず多くの方がかかりやすい症状です。
あんまり寝付けないなと最近感じる方は自分がどれくらいの症状なのかを下のページから確認しておくとよいでしょう。

入眠障害

・入眠障害・・・不眠症かな?と感じる最も多い症状の1つ。

不眠症の中でも特に多いのが入眠障害とされています。

夜、布団やベットに入った後に最低30分~2時間程度まで寝付けないと感じる場合、入眠障害である可能性が高いと言われていますが、日常生活で心配事や精神的ストレスがあったり睡眠にこだわりを持つ方の間では起こりやすい症状です。

学生であれば期末テストや卒論発表の時期で、社会人であれば仕事が忙しい月末や繁忙期に限って睡眠障害を訴える方も増えるでしょう。

目安として、寝る準備をした状態で布団やベットに入り、2時間以上経過しても眠れない場合は入眠障害と言えます。

中途覚醒

・中途覚醒・・・夜中に何度も目が覚める、寝ては起きてまた寝てをくり返す症状。

中途覚醒とは、寝ても何度も起きてしまい熟睡出来ないような症状です。

夜中トイレで起きるのを除いて、数十分~数時間の間隔で起きてしまう場合が多いとも言われます

入眠障害と違い、ストレスや心配事だけでなく、寝る前の飲酒や夜食等の食事習慣ひいては生活習慣も大きく関連してくるため、糖尿病・高血圧・メタボリックシンドローム等の合併症が疑われる可能性が高いです。

「満腹にならないと寝れない」「夜眠れないときは一升瓶を枕に寝る」ような方はもしかすると中途覚醒を起こしやすい状況を作っているのかもしれません。

また朝方夜型などの生活リズムは関係ないと言われます。

早期覚醒

・早朝覚醒・・・朝普段よりも2時間近く早く起きてしまう症状。

早朝覚醒は、不眠症状の中では朝方に起きる少し変わった症状です。

不眠症と言えば、夜寝れなかったり途中何度も起きて睡眠時間が削れてしまったりするのをイメージされる方がいらっしゃるかと思われます。

早朝覚醒の場合はその逆で、普段よりも早い時間に起きてしまいそこから眠れなくなってしまう日が続くような症状です。

季節を問わず夜明け~日の出にかけての時間で既に意識が覚醒してしまい、そこから眠れない日が週何回も続くようであれば早朝覚醒である可能性が高いと言えるでしょう。

また中途覚醒の症状と同様、生活リズムとはあまり関連性がないため、朝方だからなりやすいといった事もありません。

熟眠感欠如

・熟眠感欠如・・・熟睡出来ない、あるいは何日も眠りが浅い日が続く症状。

熟眠感欠如は、睡眠異常において何日寝ても眠りが浅い日が続く症状です。

いつもと同じ時間に寝て起きているのにも関わらず、毎日眠りが浅かったり熟睡出来ない場合はこの症状である可能性が高いと言えるでしょう。

不眠症状の中でも比較的効果が強く作用時間の長いお薬で対処するため、原因によっては統合失調症やうつ病、認知症、アルコール依存症等の精神疾患を患っている場合があります。

これらの症状と熟眠欠如が同時に現れることは珍しくは無く、一過性の心理的ストレスが慢性化して起こる不眠症状の場合、不安を和らげ眠れるよう、抗うつ薬や抗不安薬が代わりに処方される事もあります。

不眠症の原因

不眠症の原因も大きく分けて5種類程度に分類されます。

  • ・身体的要因
  • ・生理学的要因
  • ・心理的要因
  • ・精神医学的要因
  • ・薬理学的要因

不眠症となる一歩前の状態では、ストレスや心配で睡眠が上手く取れず一時的な睡眠障害を起こす方が多いと言われています。

この時、上の要因が関連している可能性が高いです。

大半は時間経過や悩みが解消される事で眠れるようになりますが、この時の対処が不十分であったり問題をずるずると引きずってしまうような形で放って置く方も珍しくはありません(例えば騒音がうるさくてもすぐには引越し出来ない、人に相談できない悩みを1人で抱え込んでいる、真面目で無理をしやすい性格等)。

この、一時的に寝付けない症状が慢性化すると不眠症となってしまいます。

またなかなか寝つけず日々辛い思いをし続けるとさらに睡眠時間へのこだわりが強くなりがちです。

「私は一定時間眠れなければ心身の障害が起きてしまう」と思い込むようになる、言わば寝つき自体へのストレスが加われば、ちゃんとした治療が必要となる慢性不眠症です。

現在処方される睡眠薬ですぐに治療を行えますがその間仕事や家事に支障をきたす事も少なくありません。

そのためまずは起こらないよう、一過性の睡眠障害が起きた場合にはこれらの要因が起きているかどうかチェックした方が良いでしょう。

複数要因が重なりあって不眠症となる事もありますが、環境的なものや心身の調子が悪いタイミングに起こるもの、生活習慣によって起こるものだという事が出来ます。

身体的要因

「体の痛み痒みや持病で眠れなくなってしまった」


身体的要因とは、病気や症状が原因で一過性不眠症状を起こしてしまった状態です。

小さな口内炎から関節リウマチ、大きな手術後にいたるまで、痛かったり痒みが続けば眠れない日も多くなるでしょう。

またこうした痛み痒みが伴うとどうしても寝つきが悪くなりがちで、翌朝スッキリと目覚められません。

眠れないストレスによる睡眠に対するこだわりも高まり、かゆみ止めやロキソニンなどの鎮痛薬を常習しがちな原因にもなります。

症状が回復するにつれて、あるいは抑える事で自然と眠れるようになりますが、その間はしっかりと治療に努めなければなりません。

繰り返し再発する事でまた眠れなくなってしまう場合もある不眠症の原因の1つとなっています。

生理学的要因

「生活習慣、住んでる環境が原因で眠れなくなってしまった」

生理学的要因とは、自分の住んでいる環境や生活習慣によって睡眠が妨げられる要因です。

周囲の騒音や昼夜逆転した職場のシフト勤務、海外旅行出張による時差ぼけから受験勉強等によって生活習慣や睡眠リズムが大きく変わると、眠ろうとする機能が低下し睡眠が妨げられる事があります。

少しでも眠りやすい環境を整え(就寝前には照明を落とし起床時には上げる等)心と体がリラックスできるよう工夫してみましょう。

心理的要因

・心理的要因・・・「日常的なストレスや心配事で眠れなくなってしまった」

心理的要因が原因であると、日々のストレス心配事で睡眠が上手く取れず一時的な睡眠障害を起こします。

身の回りの環境の変化はもちろん、人間関係や仕事状の問題でも起こりうる1番多い要因でもあるでしょう。

精神医学的要因と区別がつきにくいですが、日常的な悩み・心配事・ストレスによって起こる状態だと言えます。

普段から悩んでいる事で一時的に眠れないと心理的要因である可能性は高いでしょう。

精神医学的要因

「精神的なストレスを発端とした病気で眠れなくなってしまった」

メンタルヘルス(不安障害や抑うつ症状等の治療)が必要な病気には、不眠を伴うことが少なくありません。

その中でも不眠症状を起こしやすいのが、不安と抑うつ症状です。

慢性的な不眠症患者の中には、1/3~半数の割合で何かしらの疾患を持っている可能性が高いと言われています。

こうした患者の場合、医師から処方される薬以外は服用は推奨されていません。

落ち込んだり憂うつな気分が続く時は注意が必要です。

薬理学的要因

「カフェイン/アルコール/ニコチン、その他医薬品の成分で眠れなくなってしまった」

薬理学的要因とは、コーヒー喫煙飲酒や服用している医薬品の成分によって睡眠が上手くとれなくなってしまう要因です。

どちらかと言うと、生活習慣や心理的身体的要因が組み合わさった中間の分類とも言えるでしょう。

夜寝る前のカフェインは睡眠を妨げ、アルコールニコチンは一時的にリラックス効果をもたらしますがかえって寝つきを悪くしアルコール性不眠症状等を引き起こします。

また抗がん剤やステロイド等の中枢神経に作用するお薬を服用する場合には、それらの成分が睡眠による脳や体の休息を阻害する可能性もあります。

まずはこれらを習慣的に飲む方は注意すべきでしよう。

不眠症の改善方法

・不眠症は、ちょっとした工夫で改善出来てしまう病気です。

寝付けないストレスで不眠症は悪化しがちですが、改善出来る病気です。

普段の生活や病気によって等、様々な原因が元で一時的に睡眠障害起こしてしまう場合、細菌やウイルスが原因である病気と同じようにはなかなか薬を飲めば治るといったものではありません。

しかし、それと同時に薬ではない部分を何かしら変えてみる事でたちまち治ったというのも珍しくないのが不眠症です。

少し分かりづらいですが、簡単に言いかえてしまえば、寝る場所や生活習慣を変える事で、すぐにでも改善出来る可能性が高いのが不眠症なのです。

  • ・ベットや枕を低反発性の物に変える、遮音性の高い部屋で寝る

  • ・夜間の暴飲暴食やアルコール等の生活習慣を変える。

  • ・湯船につかる、またはストレッチをする。

  • ・普段はリビングにいて、寝るときだけ寝室にいる。

このような方法をとって改善出来るとされています。

もちろん、全て試した上で(あるいは不安障害等の病気が原因で)効果が現れなかった場合には薬が処方されます。

ただ睡眠薬/睡眠導入剤はあくまで、対症療法(症状を一時的に抑える)薬なので根本的に完全な治療する事は出来ません。

人は普段の習慣や環境が変われば、そこに動機付けされる感情・気分もある程度影響を受け、免疫や抵抗力等本来の自己治癒能力も高くなったり低くなったりする可能性が高いと言われています。

症状のタイプ別ごとに説明していきますが、どの方法を試して頂いても構いません。

不眠症の眠れない原因をちょっとした工夫で変えてみましょう。

入眠障害タイプ

入眠障害タイプに有効な改善方法をご紹介

× 寝るまでじっと待つ/お酒で眠りやすくする 
◎ 寝る前に準備を行う

眠れないのであれこれ考えたり、お酒を飲もうとする改善法は間違った改善法です。

お酒には催眠作用がありますが、分解する途中で深く眠れなくなってしまいます。

また作用が切れた時点で中途覚醒/早朝覚醒を起こしやすく、かえって症状を悪化する原因にもなるでしょう。

場合によってはですが、お酒を飲むぐらいなら睡眠薬を服用した方がよっぽど良いとも言われる程です。

また布団やベットに入ってからあれこれ考えてしまっていると、体は寝たいのに脳が覚醒した状態が続き、寝つきが悪くて眠れないと感じるやすくなります。

脳も体もサッと眠りにつくのには事前の準備が大切です。

お風呂はシャワーで済ませずちゃんと湯船につかったり柔軟ストレッチ等行う事でリラックスした状態を生みやすくなります。

寝つきが良くなり普段の仕事や家事育児等で忙しい日よりもとても眠りやすくなるはずです。

某国民的アニメの主人公のように布団に入ってすぐに眠れる日も夢ではないでしょう(実際に数秒で眠れる方は気絶した状態と似ていて逆に危険だと言われています)。

中途覚醒タイプ

中途覚醒タイプに有効な改善方法をご紹介

× 何度も起きるのを我慢する/思い切ってランニングをする
◎ 不眠に効く漢方薬を飲む

まとまった睡眠が上手くとれない事が悩みの中途覚醒タイプは深い睡眠、すなわち質の良い睡眠が大切です。

この時、途中でお酒を飲んだり、お腹を満たした状態でまた寝ようとするのは逆効果となってしまいます。

生活習慣病やアルコール依存症/同不眠症を起こす可能性を高めて危険なので止めるべきでしょう。

また普段から気分や感情が高ぶりやすい方は、途中で意識が覚醒してしまい起きる事もあります。

無理に運動したり起きようとするとかえって寝れない夜型生活リズムを作るのでおすすめしません。

こういった場合、作用時間の短い睡眠薬や漢方薬を飲んでみる事をおすすめします。

不眠治療に向いた漢方薬

漢方薬は睡眠サイクルを取り戻すためのお薬です。

穏やか効き目で副作用が少なく安心出来る漢方薬ですが、「これを飲んだら治る」というお薬ではありません。

漢方薬の作用は体質改善、つまり心と体の不調を正し上手く深い睡眠を取るような効果になります。

基本的には寝るために飲む薬ではない事を事前に理解しておきましょう。

・加味帰脾湯(かみきひとう)
気持ちを静め、睡眠リズムや消化器官を整える漢方薬です。

漢方には「気」と「血」の考え方があり、この血、すなわち昼間のエネルギーを鎮めリラックスした状態を生む働きがあります。

同時に胃腸等の消化器官も助けるので、普段からお腹の弱い方や胃がキリキリして熟睡出来ない方にもおすすめです。

以下の項目でお悩みの方にも向いているお薬です。

・心身ともに疲れていて食欲のない方
・ぐっすり眠れない、よくうなされる方
・貧血や血色が悪い方

・黄連解毒湯(おうれんげどくとう)

体の上部にこもる熱を冷やして気持ちの高ぶりや炎症を鎮める漢方薬です。

脂濃い物や甘い物、刺激物は摂り過ぎると余分な熱を生みこもりやすくなります。

熱が体の上部でこもると、炎症や交感神経の高ぶりが起こりやすくなるので不眠症の1原因にも繋がります。

黄連解毒湯はこの熱を冷ます事で、不眠症状だけでなくイライラや口の炎症を抑える事が出来ます。

以下の項目でお悩みの方にも向いているお薬です。・口内炎や赤みのある皮膚の炎症がある方。

・顔色が赤い、神経質、イライラしやすく落ち着きの無さが見られる方
・過度に不安や緊張している方

市販される漢方薬や漢方診療を行っている病院や専門クリニックを上手く活用すると良いでしょう。

睡眠導入剤なども効果がありますが、自己判断で飲むのだけは絶対にお止め下さい。

早期覚醒タイプ

早期覚醒タイプに有効な改善方法をご紹介

× 我慢して二度寝したり無理に活動しようとする
◎ 適正な睡眠時間を取る/悩みを解決する/中時間型作用の睡眠薬を服用する

夜中2~4時頃から夜明けにかけて異様に早い時間で目が覚めてしまう、またそこからうまく眠れなくないのが早朝覚醒タイプの特徴です。

この時眠れない理由が長時間のお昼寝や全く活動していなかった場合、翌日寝れるよう日中活動していればさほど重要な問題ではありません。

アルコールの飲み過ぎも、アルコール自体が睡眠の深さを妨げるので、自然と早く起きてしまう事も珍しくはないでしょう。

一方で、早朝覚醒の症状が連日続いている、あるいは眠れない事が日中の活動に支障をきたす場合は別問題です。

人間は年齢が高くなるのに伴い、睡眠時間が少しずつ減っていくと言われています。

早朝覚醒タイプの方は生活リズムが朝早いか昼夜逆転している事も多く、起きてしまう事に心身とも大きな負担となっている場合には睡眠薬が処方される事もあります。

人間にはレム睡眠/ノンレム睡眠と睡眠状態のリズムがありその深さは日中どれだけ活動したかにも影響します。

そのため遊びに行った日等は自然と長く眠れる事もありますが、心配事や緊張で意識が覚醒してしまう場合であるならちゃんと取り除くか、あるいは一時的にも忘れられるよう半強制的に眠りにつく作用があるお薬を服用するのが望ましいでしょう。

睡眠薬を服用する場合、作用時間が長いものは翌日まで効果が残ってしまいます。

平日仕事や車を運転して行く用事等があればなるべく薬以外の別の方法を取るべきです。

熟眠感欠如タイプ

熟眠感欠如タイプに有効な改善方法をご紹介

× 熟睡できるまで寝る/強い薬を飲む
◎ 自分に合った改善法で対処する

熟眠感欠如タイプの場合、何日も熟睡できずに眠りの浅い日が続きやすくなるので、睡眠を深くする必要があります。

眠りの浅さにも原因は様々ありますが、まずは人間の睡眠状態について説明していきます。

レム睡眠/ノンレム睡眠の2つの睡眠状態

人間にはレム睡眠/ノンレム睡眠の2つの睡眠状態があります。

脳は起きているけれども身体は寝ている状態がレム睡眠、どちらも寝ていて深さに段階があるのがノンレム睡眠です。

レム睡眠は、脳が今日体験した事を整理したりまとめて記憶を行っている時間と考えても良いでしょう。

脳は起きているので夢を見たり、また自律神経が活発化して呼吸が乱れる事もあります。

眠りの深さとしては浅く、電車の最寄り駅でパッと目覚めるようなのもレム睡眠です。

ノンレム睡眠は第4段階まで深さがある睡眠状態で、1、2番目までの状態を軽睡眠、3番~4番目までを深睡眠(または徐波睡眠)と呼びます。
通常の場合、ノンレム睡眠から始まり寝ている間に徐々に深くなりながら、夜明け~朝方に近づくにつれて軽睡眠→レム睡眠状態と戻っていきます。

ここで睡眠の深さを振り返ってみると、眠りの浅さは

1.レム睡眠の時間が多い
2.ノンレム睡眠の間で軽睡眠が多く深睡眠が少ない

という2点に的が絞られます。

レム睡眠の時間が短ければ睡眠深度(熟睡している度合い)を数値化して測る機械でも「睡眠が浅い」と判定されます。

多くの方がここで注意しなければならないのが、単に睡眠が浅い状態では心療内科等では熟睡出来ていない(熟眠障害)と判断されない事が多いという点です。

単に毎日眠い、テストや会議の準備で熟睡出来ないと感じているだけでは熟眠障害とは言い切れず、その人が日常生活に支障をきたすと実感しなければならないラインがあります。

判断するのは自分本人ですので難しいですが、仕事が手に付かないあるいは日中突発的に強い眠気が襲う日が連日や週3日~4日以上続くほど深刻であれば対処した方が良いレベルです。

熟眠障害は自分にあった改善法が望ましいとされます。

寝る環境を変えたり(ベットや枕を低反発性の物に変える/遮音性の高い部屋で寝る等)睡眠への認知療法(寝る時以外は寝室を使わない/寝る時は意識的に何も考えない等)が初めは行いやすいでしょう。

また最終的にはお薬を用いる場合があります。

症状の場合にもよりますが、熟眠障害には中~長時間型のお薬が処方される事があります。

効果が強く作用時間も長いので眠気が翌日まで残るのが嫌な方は、効果の弱いお薬や他の方法を試すのがよろしいでしょう。

中~長時間型の睡眠薬に関しても自己判断で飲むのだけはお控え下さい。

生活習慣を見直して不眠症を改善

・寝る前にアルコールやカフェイン、ニコチンを摂っている

寝る前の飲酒や喫煙、カフェイン入りのものを摂ると眠りの質が低下し中途覚醒や早朝覚醒を促します。

特にアルコールは、中毒や不眠症をさらに強める結果となるので控えた方が良いでしょう。

日々の飲む量によっては睡眠薬を飲んだ方がよっぽど良い場合もあります

・夜遅くにスマホやPCでゲームをしたり連絡を取り合ったりしている

また日中だけでなく、夜寝る前のスマホやPC操作はブルーライト等による目の疲れを生みます。

近年テクノストレス不眠症(スマホ等による睡眠障害や頭痛等の2?3種類の症状が同時に現れる症状)が若年層のスマホユーザーの間で広まっているように、スマホやPCのやり過ぎは寝つきを悪くする習慣の比率を大きく占めるでしょう。

ついつい長続きしがちなゲームのレベル上げやLINEのやり取りは適度に済ませ、寝る2~3時間前にはやめておくのがベストです。

・仕事などで日中に外に出ず、身体を動かさない

普段から外出する機会の少ない方は日の光を浴びる事が大切です。

日光は人間の体内時計を整えるだけでなく、浴びる事で夜は自然と眠くなるように作用し自然な入眠が催される事が分かっています。

朝日を浴びた約16時間後が目安とされているため、夜23時に自然と寝るためには朝7時には起床してカーテンを開けたり、早めに通勤しておくのがベストでしょう。

不眠症の治療方法

・改善法で治らなかった場合、心療内科などの病院で治療する事が可能です。

不眠症は、様々な方法で改善が見られなかった場合、心療内科などの病院にて治療する事が出来ます。

例えば医師から睡眠衛生(寝る前の悪習慣を断ち切る)指導を受けたり、日光に代わる光を照射して体内時計ホルモンのメラトニンが夜間分泌されるようにしたりとその手方は様々です。

しかし、これらの処方を受けても1ヶ月以上改善されない、あるいは抑うつや不安障害等の精神に支障をきたす場合には睡眠薬が処方されます。

睡眠薬での治療とは、いわば眠れない脳や体を薬の作用で一時的に活動を抑えてしまうお薬です。

症状自体を完治する効果はないため、一時的な痛み止めのような作用となります。

また効果の強いものであれば直接脳に作用するので、作用が長引き依存性を生み、使い続ければ耐性(薬への慣れ)もつきやすくなります。

睡眠薬に頼る=最終手段だという事を事前に理解しておく事が大切です。

病院での治療

・病院での不眠症治療・・・普段の睡眠状況と生活習慣を踏まえた上で治療が行われます。

不眠症の治療を希望する場合まず最初にチェックシートのような書類を記入される事が多くなっています。

これは、現在の睡眠状況(=不眠症状の具合)と生活習慣とを確認するためです。

多くの心療内科では、数週間~1ヵ月以上に及ぶ不眠症状とその症状における普段の生活具合に見合った治療が行われます。

不眠症状が続き仕事が手につかず来週にでもクビを切られそうだなんて方も、同じように治療と処方がされると言われています。

ここで重要なのが、普通の病院や専門クリニックのように行けばお薬を処方して貰える訳ではないという事です。

睡眠薬はいわば特効薬であり、最後の手段でもあります。

そのためまずは生活環境や普段の習慣の改善を目指すよう診療を受ける事が比較的多いでしょう。

寝る前の飲酒/カフェイン/タバコの禁止や、食事内容と回数の改善(脂濃い物甘い物や寝る前の水分を控える)、運動を行う、日光を〇〇分以上浴びた方が良い等の診療を受け、それでもダメな場合不眠症のタイプ別によってお薬が処方されます。

治療期間

・不眠症の治療期間・・・改善法や治療によってすぐに治る事もあります。

不眠症の治療は個人差が出やすい症状です。

改善していきなり眠れるようになった方もいればそうでない方もいらっしゃいます。

中には「私は不眠症10年選手です!」なんて方もいる程です。

不眠症の治療で大切な事は、自分の不眠症の要因を1つずつちゃんと解消していく事です。

ここをサボってしまうとせっかく早く治るものも治りません。

治療費を削りたくて、一時的に治療で完治したと思い込んでも、また再発する可能性が出てきます。

病気や怪我が原因であれば治療に専念する、ストレスが原因であれば今ある環境や人間関係を工夫する等、実際に行うのはとても大変ですが、今ある症状を改善する最も有効的かつ1番の近道であるため、諦めず取り組むべきです。

治療費用

・不眠症の治療費・・・・診療代+薬の処方代(その他)


不眠症の治療費はこれといって一概に決められている金額はありません。

ただ心療内科で治療して貰う場合、診療代やお薬の処方代はかかります。

特にお薬を処方して貰うとついつい頼りがちになってしまい費用も重むので、使わない方が無難でしょう。

ただし不眠症だけでなくうつ病・不安障害等の症状も見られた場合には自立支援医療制度が適応され、約一割ほど自己負担額が軽減されます。

自立支援医療制度とは、日常生活に支障をきたすレベルで精神疾患の症状が見られる方にのみ国が援助を行う仕組みの事です。

多くが世帯収入と住民税の兼ね合いで支給額が決定され、おおよそ健康保険の3割負担のさらに1/3(1割負担)となります。

また申請は有料で、生活保護を貰っている方は支給されない等、条件がちゃんと定まっているため人によっては厳しいと感じる方もおられます。

そのため安易に治療費が安くなるとは思い込まない方が良いでしょう。

もしも重度の不眠症に加えて精神疾患の可能性もあると診断されてしまった方は医師とちゃんと相談した上で手続きを取り計らってもらうのが1番です。

自立支援医療制度

国から指定された症状に対して、ある一定の支援金を貰う事が出来る制度です。

以下のような症状(精神通院医療分類)が診断され、通院を継続的に行う必要が出た場合、申請する事が出来ます。
詳しくは近隣の病院にてご確認下さい。

【症状】
・統合失調症
・うつ病、躁うつ
・不安障害
・強迫性人格障害
・境界性パーソナリティ障害
・てんかん

【条件】 ・これらの症状で通院が必要だと診断された場合

条件を満たす事で病院で診断書類(有料)を作成してもらう事が出来ます。

またその他に、自立支援医療費支給認定申請書(市や区役所で貰えます。)/健康保険証の写し/世帯所得状況が確認出来る書類が必要です。

適応されるのはかかりつけの病院と薬局それぞれ1箇所となるので、いつもと違う病院に行っても適応外となります。

負担上限額は世帯収入と住民税の支払い状況によって決定されるのでご注意ください。

問題が無ければ2ヶ月ほどで支給証が交付され、それ以後の治療は健康保険証と合わせた負担額(3割負担のさらに1/3)となるでしょう。

あくまで治療を目的とした向精神薬にかかる費用にのみ支給される制度なので、睡眠薬の中でも適応外となるお薬もあります。